ソースコードを読む方法:Frappe Framework を例に

ソースコードを読むことは、開発者にとって最強のスキルです。
OSS へのコントリビュート、バグ修正、あるいは仕組みを深く知りたい場合でも、大規模なコードベースを理解できる能力は不可欠です。

この記事では、Frappe Framework(ERPNextのエンジン)を実例として、ソースコードを読むための実践的なガイドを紹介します。


⭐ ソースコードを読むための一般的なガイドライン

どんなプロジェクトのコードでも通用する普遍的なコツを、まず押さえておきましょう:

  1. まずはドキュメントを読む
    • READMEやWiki、公式ドキュメントを斜め読みして、全体像や主な構成要素を把握しましょう。
  2. ディレクトリ構成をざっと確認する
    • フォルダ構成を見て、主なモジュールやエントリポイント、命名規則などを探ります。
  3. 全部を読もうとしない
    • その時の課題や関心に関係する部分だけを集中的に追いかけましょう。
      関数名やクラス名、ドックストリングを流し読みすると効率的です。
  4. 機能の流れを端から端まで追う
    • 「ドキュメントの作成」や「ログイン」など、シンプルなアクションを一つ選び、UIからバックエンドまで追跡します。
  5. データの流れを追う
    • APIコール、モデル/DB、出力・レスポンスまで、データがどう流れるか観察します。
  6. ツールを活用する
    • IDEの検索、ジャンプ、参照検索、ログ出力や print() などで動きを確認します。
  7. テストやサンプルを探す
    • テストは「こう使う」という実例の宝庫です。
  8. 図やメモを作る
    • Flowchartや簡単な図を描く、あるいは気づきをノートにまとめるのも効果的です。
  9. コミュニティに質問・相談する
    • GitHub, Stack Overflow, フォーラムで議論や質問を活用しましょう。
  10. 繰り返し練習する
    • いろんなプロジェクトで経験を積むと、パターン認識が早くなり理解も深まります。

1. 全体像をつかむ

まずは README や公式ドキュメントをざっと眺めましょう。
Frappeの場合は公式ドキュメントやGitHubのREADMEが全体像を知る手助けになります。


2. ディレクトリ構成を把握する

エディタでリポジトリを開くと、例えば以下のような構成です:

frappe/
├── app.py
├── desk/
├── core/
├── model/
├── utils/
├── public/
├── website/
├── workflow/
└── ...
  • app.py: Webアプリのエントリポイント(WSGI)
  • desk/: 管理画面(Desk)用ロジックやページ
  • core/: ユーザー、権限、セッション等のコアモジュール
  • model/: ORMやDocType関連のロジック
  • utils/: 各種ユーティリティ関数
  • workflow/: ワークフローエンジンのロジック

Tip: 各フォルダのコメントや __init__.py を読んでみましょう


3. エントリポイントを探す

Webアプリの場合、たいてい app.pywsgi.py がスタート地点です。
Frappeなら frappe/app.py の中に

application = get_wsgi_application()

という記述があり、FrappeをDockerやBench経由で起動したとき最初に呼ばれます。


4. シンプルなフローを追跡する

たとえば「Task」ドキュメントがDesk上でどうロードされるか知りたい場合:

  • ユーザーがTaskフォームを開く
  • Deskフロントエンド(public/js/frappe/desk/)がAPIコールでデータを取得
  • バックエンドでは frappe/desk/form/load.pygetdoc関数)がリクエストを処理
  • ORMは frappe/model/document.py でDBからデータを取得

プロの裏技: エディタの「定義へジャンプ」や「参照を検索」機能が大活躍します!


5. 設定やフックポイントを探す

Frappeは hooks.py で柔軟な拡張が可能です。
どのモジュールがどう繋がっているか、新しいロジックやUIを追加したいときもここが起点になります。


6. テストを読む

テストは「生きたドキュメント」。
/tests//testing/ フォルダにはAPIや各種モジュールの具体的な使用例が詰まっています。


7. 全部は読まない—スキャンとスキミング

  • 関数・クラス名、docstring
  • コメント、TODO
  • 構造・階層感
  • 必要な部分だけ掘り下げればOK

8. 実際にアプリを動かす

ローカルでアプリを起動し、

  • UIを触ってみる
  • ログやコンソールを観察
  • 必要に応じて print() やデバッガーで流れを追う

まとめ

ソースコードリーディングは新しい街を探検するようなものです。
地図(docs)を使い、地元の人(コミュニティやコメント)に尋ね、時には迷子になることも恐れず挑戦しましょう!
経験を重ねれば、複雑なフレームワークでも素早くパターンが見えてくるはずです。

Frappe Frameworkのコードベースの探検を、ぜひ楽しんでください!


もっと知りたい?


次はどのフレームワークを深堀りしたいですか?ぜひコメントしてください!


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