WazuhでCiscoネットワーク機器を監視する:完全ガイド
ネットワークインフラは、現代のあらゆる組織にとって基盤となる重要な要素です。そのインフラを保護し監視するためには、ログの一元収集と分析が不可欠です。
本記事では、CiscoスイッチやルーターからSyslogメッセージをWazuhに送信し、リアルタイムでイベントを検知・可視化する方法を紹介します。
🚀 なぜCiscoとWazuhを統合するのか?
- ✅ Cisco機器のログを一元的に収集
- 🔍 インターフェースの状態変化やログイン試行などのイベントをリアルタイムで監視
- ⚠️ ルールに基づいたセキュリティアラートの生成
- 📊 Wazuhダッシュボード(Kibana)での視覚化
🛠️ システム構成図(テキスト)
+--------------------+ +------------------------+ +---------------------+
| Ciscoスイッチ/ルーター +-------------> | Wazuhマネージャー +-------------> | ルールエンジン |
| (IOS/ASA/NX-OS) | (UDP/TCP 514) | (ログ収集機能あり) | | (アラート生成) |
+--------------------+ +-----------+------------+ +---------------------+
|
| ログ保存
v
+----------------------------+
| /var/ossec/logs/archives/ |
| /var/ossec/logs/alerts/ |
+-------------+--------------+
|
(オプション)で可視化
v
+------------------------------+
| Wazuhダッシュボード(Kibana)|
| イベント分析と検索 |
+------------------------------+
⚙️ 設定手順
1. Cisco機器側のSyslog送信設定
Ciscoスイッチまたはルーターで以下を設定:
conf t
logging host <WAZUH_IP> transport udp port 514
logging trap informational
service timestamps log datetime msec
exit
udp
の代わりにtcp
を使用してもOK。ポート番号はWazuh側と一致させてください。
2. Wazuhマネージャー側の設定
/var/ossec/etc/ossec.conf
を編集して以下を追加:
<remote>
<connection>syslog</connection>
<port>514</port>
<protocol>udp</protocol>
<allowed-ips>192.168.10.0/24</allowed-ips>
<local_ip>192.168.10.10</local_ip> <!-- WazuhサーバーのIP -->
</remote>
変更後、Wazuhマネージャーを再起動:
sudo systemctl restart wazuh-manager
3. CiscoからのSyslogサンプル
<189>Jun 10 14:22:10 switch01 33953: %LINK-3-UPDOWN: Interface GigabitEthernet1/0/24, changed state to up
<189>Jun 10 14:23:45 switch01 33954: %SEC_LOGIN-5-LOGIN_SUCCESS: Login Success [user: admin] [Source: 192.168.1.50]
<190>Jun 10 14:24:30 switch01 33955: %SYS-5-CONFIG_I: Configured from console by admin on vty0 (192.168.1.50)
これらのログはWazuhによって解析され、適切なアラートや通知が生成されます。
4. Wazuhダッシュボードでの可視化
ログ受信後、以下のことが可能になります:
- IPアドレスやキーワードでログ検索
- ダッシュボードでイベント分析(例:インターフェースダウン、ログイン成功/失敗)
- 重要イベントのアラート表示
🔒 <allowed-ips>
の使い方
この設定は、信頼できるIPアドレスだけがSyslogを送信できるようにするセキュリティ機能です:
<allowed-ips>192.168.10.0/24</allowed-ips>
不正なアクセスやノイズを防ぐため、最小限の範囲で指定するのがベストです。
✅ まとめ
Cisco機器をWazuhに統合することで、ネットワークセキュリティ監視がリアルタイムかつ高精度に実現できます。システム変更、アクセス試行、異常なイベントなどを即座に把握できるため、企業のセキュリティ対策強化に非常に有効です。
🔗 関連リンク
Get in Touch with us
Related Posts
- なぜTest-Driven Development(TDD)はビジネスに有利なのか
- Django × DigitalOcean × GitHub Actions × Docker で構築する継続的デリバリー(CD)環境
- LangChainとOllama、オープンソース埋め込みで作るローカル商品レコメンドシステム
- 2025年版:主要モバイルアプリフレームワーク徹底比較(Flutter、React Native、Expo、Ionic ほか)
- NumPy の `np.meshgrid()` を徹底解説:なぜ必要なのか?順序を入れ替えるとどうなるのか?
- PyMeasure を使って実験装置を自動制御する方法
- チャットボットを強化しよう:業務システムと連携するAPI開発サービス
- 今注目の「日本語対応Rasaチャットボットガイド」が話題の理由と、その活用方法
- 数学なしで「方程式」を推測する方法:猫と鳥の個体数の関係を探る
- AIに負けないプロジェクトの作り方:人とのつながりで価値を生むアイデア
- GNS3 + Wazuh + Dockerでサイバーセキュリティ演習ラボを構築しよう
- GNS3を使ってネットワーク機器の構成をシミュレーション&トレーニングする方法
- LMSとは?そしてなぜFrappe LMSに注目すべきか
- 工場における Agentic AI:スマートで自律的な次世代製造
- EVバイクをもっとスマートに、安全に管理する:ジオフェンシングとリアルタイム追跡システム
- FastAPI で Google OAuth を使った Single Sign-On (SSO) を実装する方法
- Simplicoで始めるタクシー配車アプリ開発:スケーラブル、安全、即スタート可能!
- 拡張性のあるEV充電ステーション管理システムのバックエンド設計 — Simplicoによる開発
- Odooで受注生産商品の複雑な価格設定をどう扱う?
- オーダーメイド商品を効率的に提供する「Made-to-Order」システムの作り方