SCPI を使った EXFO 機器の自動化:実践ガイド
今日の急速に変化するテレコム、データコム、光ネットワークの世界では、自動化はもはや贅沢ではなく、必須です。EXFO の NetBlazer、Power Blazer、iOLM などの機器を使用しているなら、SCPI(標準計測器制御コマンド)をマスターすることで、作業効率を劇的に高め、強力なテストフローを実現できます。
このブログ記事では、以下の内容を紹介します:
- SCPI とは何か
- EXFO 機器が SCPI をどのように使うか
- EXFO 向けの主要な SCPI コマンド
- Python スクリプトを使った自動化の実例
さっそく見ていきましょう!
🌟 SCPI とは?
SCPI(スキッピーと発音)は、計測機器を制御するための業界標準の言語です。人間が読めるテキストコマンドの集合で、以下のような操作をリモートで行うことができます:
- 設定の構成
- 測定の開始・停止
- テスト結果の取得
- エラーやステータスの処理
たとえば *IDN?
を入力して機器の識別情報を取得したことがあれば、すでに SCPI を使ったことがあります!
📊 EXFO 機器での SCPI の使い方
EXFO の FTB-1 Pro、FTB-2 Pro、FTB-4 Pro などのプラットフォーム、および FTBx-88480(Power Blazer)や FTBx-8880(NetBlazer)などのモジュール型機器は、TCP/IP または Telnet 経由で SCPI をサポートしています。
各挿入モジュール("スロット")は LINSx
という論理 ID(例:LINS0
、LINS2
)でアドレス指定されます。これにより、複数の機器が接続されていても、正確に対象モジュールへコマンドを送信できます。
SCPI コマンドを送信する前に:
STATUS MODULE
を使って利用可能なモジュールを確認- 必要に応じて
CONNECT LINSx
で接続
🌐 EXFO 向け基本 SCPI コマンド一覧
コマンド | 説明 |
---|---|
*IDN? |
機器の識別情報を取得 |
*RST |
モジュールを初期状態にリセット |
*CLS |
イベント・エラーキューをクリア |
STATUS MODULE |
使用可能なモジュールと LINS ID の一覧を表示 |
CONNECT LINSx |
特定モジュールへ接続 |
LINSx:SOUR:DATA:TELecom:TEST:TYPE RFC2544 |
テストタイプの設定(RFC2544) |
LINSx:SOUR:DATA:TELecom:TEST |
テスト開始 |
LINSx:SOUR:DATA:TELecom:TEST:STOP |
実行中テストを停止 |
FETCh:DATA:TELecom:RFC2544:SUMMary? |
RFC2544 テストのサマリー結果を取得 |
🚀 Python を使ったシンプルな自動化例
EXFO 機器は TCP ソケット経由で簡単に制御できます。以下はその一例です:
import socket
def send_scpi_command(command):
ip = "192.168.1.100"
port = 5025
with socket.socket(socket.AF_INET, socket.SOCK_STREAM) as s:
s.connect((ip, port))
s.sendall((command + "\r\n").encode())
response = s.recv(4096).decode()
return response.strip()
# 使用例
print(send_scpi_command("*IDN?"))
print(send_scpi_command("STATUS MODULE"))
実際の運用ではタイムアウト処理やエラー処理を追加することを推奨しますが、基本動作の確認にはこれで十分です。
🎓 SCPI 利用のプロ・ヒント
STATUS MODULE
でモジュールの存在確認を先に行いましょう。*CLS
を使ってエラー状態を事前にクリアすると安定します。- テスト後に
LINSx:SOUR:DATA:TELecom:TEST?
をポーリングして完了状態を確認しましょう。 - "index out of bounds" エラーが出たら、モジュールが存在しているか、テストが実行されたかを見直しましょう。
🌍 まとめ
SCPI を使えば、EXFO の信頼性あるフィールドテスト機器を完全に自動化できます。メトロ Ethernet、モバイルバックホール、データセンター光ネットワークの検証において、自動化によって作業の一貫性と効率が大幅に向上します。
数個の SCPI コマンドを覚えるだけで、テスト設定・実行・レポート出力まで全自動化が可能です。
次回は Python を使って完全な SCPI テストコントローラーを構築する方法をご紹介します!
テストを楽しんでください! 🚀
Get in Touch with us
Related Posts
- 連続素材欠陥検出用スマートビジョンシステム
- ラインスキャン + AI で作るリアルタイム欠陥検出システム(汎用設計ガイド)
- ソースコードを読む方法:Frappe Framework を例に
- Interface-Oriented Design:クリーンアーキテクチャの基礎
- アンチドローンシステムのすべて ─ アーキテクチャ・ハードウェア・ソフトウェア徹底解説
- ドローンにおけるRTOS vs Linux:最新設計・セキュリティ・Rust活用法
- なぜSpringはアノテーションだらけ? JavaとPython Web開発の本質的な違い
- DjangoからSpring Bootへ:Web開発者のための実践ガイド
- クリーンアーキテクチャで大規模なPythonシステムを構築する(実践サンプル・図解付き)
- なぜTest-Driven Development(TDD)はビジネスに有利なのか
- Django × DigitalOcean × GitHub Actions × Docker で構築する継続的デリバリー(CD)環境
- LangChainとOllama、オープンソース埋め込みで作るローカル商品レコメンドシステム
- 2025年版:主要モバイルアプリフレームワーク徹底比較(Flutter、React Native、Expo、Ionic ほか)
- NumPy の `np.meshgrid()` を徹底解説:なぜ必要なのか?順序を入れ替えるとどうなるのか?
- PyMeasure を使って実験装置を自動制御する方法
- チャットボットを強化しよう:業務システムと連携するAPI開発サービス
- 今注目の「日本語対応Rasaチャットボットガイド」が話題の理由と、その活用方法
- 数学なしで「方程式」を推測する方法:猫と鳥の個体数の関係を探る
- AIに負けないプロジェクトの作り方:人とのつながりで価値を生むアイデア
- GNS3 + Wazuh + Dockerでサイバーセキュリティ演習ラボを構築しよう